新NISAは政府の罠?大暴落で一番やってはいけない事とは?

2024年8月5日、世界的な株安が訪れ、いわゆる「大暴落」が起こりました。

今年に入って好調だった日経平均も大きく下げ、SNSでは「新NISAは政府の罠だ!」という陰謀論めいたコメントも目立ち、阿鼻叫喚の様子。

特に、今年から始まった新NISAで投資を開始した初心者の方は大慌てかと思います。

この記事では、今回起きた大暴落についてと、このような暴落が起きた際に一番やってはいけない行動についてお伝えします。
投資を行なっていく上で、非常に重要なポイントにしぼって解説しているので、最後までご覧ください。

目次

1. 新NISAとは?

新NISA(少額投資非課税制度)は、特定の条件を満たした金融商品に投資した際、その利益に対して税金がかからない制度です。

2024年から導入された新NISAでは、非課税保有期間が無期限となり、年間投資枠は「つみたて投資枠」が120万円「成長投資枠」が240万円に設定されています。生涯を通じた非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円です。これにより、長期的な非課税投資が可能となり、投資家にとって大きなメリットがあります。

新NISAの特徴として、従来のつみたてNISAや一般NISAで投資してきた資産も別枠で保有できるため、既存の投資設定をそのまま引き継ぐことができます。

ただし、新NISAの成長投資枠で投資できない商品に設定していた場合は、その積立設定が解除される点に注意が必要です。さらに、NISA口座を利用することで、通常20.315%の税金がかかる売却益や分配金に対しても非課税となるため、実質的な受取額が増えることになります。

例えば、投資信託の分配金として1万円を受け取る場合、通常であれば約2,000円の税金がかかりますが、新NISAを利用するとそのまま1万円を受け取ることができます。

2. 今回起きた大暴落とは?

2024年8月5日、日本の株価指標をはかる日経平均株価が1日4400円下げるという暴落が起きました。

過去最大級の暴落と言われるブラックマンデー(1987年に発生)を超えるレベルの下げ幅ということでメディアでも大いに騒がれています。

これは、7月31日に日銀の植田総裁が継続的な利上げを発表→それにより急激な円高に振れ、かつ日本株が下がる→そして間の悪いことにアメリカの雇用統計の結果が悪く、世界的にも株安に振れる→それを見た投資家がパニック売りに陥り、さらに株価の低下を推進したことが大きな原因のようです。

トリプルパンチですね。

もちろん、アメリカ系の株価も軒並み下げており、新NISAのつみたて投資枠で人気のS&P500系や世界株・オールカントリー系もみるみる下がりました。

特に、日本においては今年から始まった新NISAで初めて投資に挑戦した勢がかなりいますので、初心者の方は青ざめた顔で証券会社の管理画面を見ていることでしょう。

この大暴落を受けて「新NISAなんてやらなきゃよかった...」「損切りして撤退します」といった声もネット上で多く見られました。

また、

「新NISAは国が進めたのにいきなり暴落って、政府の罠じゃん」

「新NISAは政府の罠で、国民から搾取しようとしている」

「これやってほんとに大丈夫かよ!?政府の罠だろ!」

といった陰謀論まで聞こえてくる始末。

しかし、積立投資をしている人にとって、このような意見が出てくるのは、投資のマインドセットが足りてない、といわざるを得ないでしょう。

「新NISA始めようと思ったけど辞めておきます…」

といった声も聞こえてきますが、正直今このタイミングこそ始めるのにはもってこいなのです。

その理由を説明していきます。

 

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3. 新NISA暴落時の正しい対処法は?

そもそも、投資の世界においてこのような暴落や急騰は珍しいものではありません。

新NISAで人気のS&P500も過去に50%近い下落を経験しています。

しかし、過去実績だけでいくと、このような大暴落のあとは回復にかかる時間の差はあれど、過去最高を更新し続けてきました。

このように、一時の暴落と上昇を繰り返しながら、株価は長い時間をかけて成長していくのです。

そして、前提として新NISAは長期積立、長期運用が前提とされた制度です。

まだ開始して半年程度のこのタイミングの下落など、長期的な視点で見れば屁でもありません。

一番の悪手は、ここで

・積立を辞める
・今まで積み立てた銘柄を売却する

です。

株価が下がったというのは、ドルコスト平均法で毎月同じ額を買っている人からしたら、通常より多くの株数を買える、というタイミングになります。

簡単に言うと、株のバーゲンセールですね。

ドルコスト平均法での積立投資を始める人にとっては、長期運用であればいつでもいいので早く始めて長く保有する、が大原則となりますが、タイミングを見計らっていた新NISA予備勢からしたら、暴落して株価が落ちている今が絶好の始め時、と言えます。
そして、未来的にもこのような暴落は十分に起こりうるので、この暴落に一気一憂せず、ただひたすらに信じた銘柄を積立て、長期運用をしていくのが鉄則となります。

4. 新NISAの長期投資、分散投資の重要性

新NISAでの運用において(投資全体でもそうですが)分散投資が鉄則です。

「卵を一つのカゴに盛るな」

と投資の格言があるように、複数の銘柄、もしくは複数銘柄で構成された投資信託を買って、分散を図るのがベストです。
新NISAの一括投資で個別株を買っている人は、まずはここを見直したほうが良いと思います(圧倒的に自身の読みに自信がある、投資経験が長い人は除きます)

何かあったときに、その損失をカバーできるような銘柄や商品をポートフォリオに加えておくことは非常に重要です。

また、長期投資の考え方は必ず持っておきましょう。

新NISAは投資により発生した利益に対して非課税となります。
しかも、無期限で、です。

こうなると、複利効果が働く再投資型のインデックスファンドとの相性が最強になります。
税金を取られず、配当金が再投資され、長期間運用することで複利効果が最大化され、もりもり資産が増えていきます。

短期投資の考え方だと、この暴落はこたえることでしょう。
ポートフォリオによっては、管理画面が損失だらけになっていて、大きな含み益を持っている人も多いと思います。

毎月一定額積み上げるドルコスト平均法での積立投資の運用は15年を超えると、マイナスになる可能性がぐっとゼロに近づきます。

まずは20年以上の長期投資を前提とした積立投資プラン→そのための余剰資金の確保、というのを今一度行いましょう。

20年以上の運用ということは、言い換えると「20年間は最低その運用資金は引き出さない」となります。
それでも大丈夫な余剰資金を節約や貯蓄で作り、生活費に手をつけない形で無理せず長期積立を行うのが鉄則です。

今回の暴落は、無理な積立額にしていないか?を見直すいい機会かもしれませんね。

5. まとめ

今回の暴落で、恐らく大量の新NISA撤退民が出ることでしょう。
しかし、あなたはやめてはいけません。

何が起きても淡々とドルコスト平均法で積み上げた人が大きな資産を作っています。
逆に、今から新NISA積立を始める人は精神的にとても楽だと思いますので、ぜひこの機会に新NISAをスタートしてみましょう。

当サイトでは新NISAの始め方についてたくさんの記事を投稿していますので、ぜひ他記事もご覧ください。

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