2024年から始まった新NISAについて、旧NISAとの違いをわかりやすく解説します。新NISAでは投資枠が拡大し、より柔軟な運用が可能になります。また、非課税期間も変更され、長期的な資産形成を目指す方にとって魅力的な制度へと進化しています。この記事を通じて、30代の方々にも投資のチャンスが広がることでしょう。
新NISAと旧NISAの基本的な違いとは?
新NISAと旧NISAの違いを簡単に説明します。まず、新NISAは2024年から開始され、より長期的な投資を促進する目的があります。一方、旧NISAは2023年までの制度で、新NISAと比較して、短期間の投資に適していました。
新NISAでは非課税期間が無期限に延長され、投資枠も拡大されています。これに対し、旧NISAは非課税期間が一般NISAで5年、つみたてNISAで20年で、かつ投資枠も比較的狭かったです。
また、新NISAはつみたて設定も可能なため、定期的な投資が可能です。これにより、投資初心者でも始めやすくなっています。
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新NISAと旧NISAの制度概要
まず、非課税期間が長くなり、今まで一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間の非課税だったものが新NISAだと無期限となります。これは、長期的な資産形成を目指す方にとって大きなメリットとなるでしょう。
また、今までは一般NISAか積立NISAの2つから選択をしなければいけませんでしたが、新NISAでは選択制ではなくなり、1本化しました。対象となる金融商品も拡大され、より多様な投資が可能になります。
さらに、新NISAは年間の投資限度額が従来の一般NISA120万円、つみたてNISA40万円からつみたて投資枠120万円+成長投資枠が240万円の合計360万円に増えています。
完全に旧NISAの上位互換として生まれ変わったのが新NISAと言えるでしょう。
一般NISAとつみたてNISAの統合点
一般NISAとつみたてNISA、これらはどちらも少額投資非課税制度ですが、2024年からは新NISAに統合されました。一般NISAは年間120万円までの投資が可能で、5年間の非課税期間が設けられていました。
一方、つみたてNISAは年間40万円の投資限度であり、非課税期間は20年間です。新NISAでは、これらの良い点を組み合わせ、さらにバージョンアップした形になります。これにより柔軟な投資が可能になります。
非課税期間の変更とその影響
非課税期間の変更は、投資初心者にとって重要なポイントです。特に新NISAと旧NISAの違いを理解することが、資産形成戦略を練る上で役立ちます。新NISAはより長い非課税期間を提供し、これにより長期的な資産増加が期待されます。
旧NISAでは非課税期間に限りがありました。
一般NISAで5年、つみたてNISAで20年が非課税期間として設定されていました。
つまり、一般NISAでは5年・つみたてNISAであれば20年が経つと、投資家はその資産を売却するか、特定口座にうつして課税される資産として持つかの選択を迫られる形だったと言えます。
新NISAでは期間の縛りがないため、ご自身のライフスタイルに合わせた売却を実行したり、相場を見ながら比較的評価額の高い年に売却して現金化しよう、といった柔軟な出口戦略が実現できます。
投資枠の拡張と併用可能性
新NISAと旧NISAの違いには、その対象銘柄もあります。
NISA制度は日本政府が設定している制度であり、世界中のどんな銘柄やETF(投資信託)にも投資ができる!というものではありません。
あくまで、「長期的で健全な資産運用を国民が行えるような制度」なので、めちゃくちゃ高騰するけど、めちゃくちゃ暴落する可能性が高い、のようなリスク商品には新NISAでは投資ができなくなっています。
従ってNISA制度を使って投資できる商品は、国が選定した「比較的リスクが少なく、長期成長が見込まれるETFや銘柄」となっているわけです。
もちろん、国が選定したからとってマイナスに絶対ならない銘柄やETFは存在しない、ということは理解ください。
その上で、旧NISA制度時代の対象銘柄から、新NISA制度で投資できる対象が銘柄は大幅に数が増えました。
選択肢が増えた分、我々国民にとっては「どの銘柄、ETFに投資をするか?」と考える手間は増えることになりますが、その分柔軟性の高い選択肢が取れるようになったと言えるでしょう。
新NISAの導入が旧NISAに与える影響
新NISAと旧NISAの違いについて理解することは、賢い投資戦略を立てる上で非常に重要です。新NISAは、より柔軟な投資が可能となり、特に長期的な資産形成を目指す方に適しています。一方、旧NISAはその利用期間が限られていました。
この変化は、投資初心者にとってもチャンスです。新しい制度を利用することで、少額からでも効率的に資産を増やすことが可能になります。新NISAのメリットを活かし、賢く投資を始めましょう。
旧NISAの今後の取扱いと非課税期間
旧NISAは2023年末をもって新しい制度である新NISAに移行しました。
旧NISAの口座は、2024年以降新規の買付が出来ず、対象の非課税期間が終了するとその年の12月31日に自動的に課税口座に切り替わります。
なので、一般NISAを利用していた方は購入時から5年後、つみたてNISAを利用していた方は購入時から20年後までには、持っていた銘柄もしくはETFを売却して非課税で現金化をするか?それとも持ち続けて課税口座で運用を続けるか?という選択をしておくことをおすすめします。
新NISAへの移行注意点
旧NISAを利用していた方で、新NISAでも継続して運用している方には注意点もあります。
それは、過去旧NISAで運用していたものの投資成績や旧NISAでの投資枠の状況は新NISAには引き継がれないという点です。
すごく簡単に言うと、今まで旧NISAという箱の中で資産運用をしていたものが、その箱とは別に新NISAという新しい箱ができて付与されたイメージです。
あくまで旧NISAの口座と新NISAの口座は「別物」である、と理解した上で運用をするのが良いでしょう。
逆に言うと、旧NISAの投資枠限界まで投資をしていた方にとっては、追加で新NISAという生涯1800万円という新しい運用枠が追加されるわけなので、とてもメリットがあると思います。
新NISAの活用方法と注意点
新NISAは、より柔軟な運用が可能な制度です。旧NISAとの大きな違いは、投資対象が広がった点にあります。
特に30代の方々には、長期的な資産形成に向けて、この新しい制度を最大限に活用していただきたいですね。注意点としては、投資対象を選ぶ際にそのリスクを理解し、分散投資を心掛けることが重要です。
また、旧NISA口座をお持ちの方は、非課税期間が終了する前に、適切な対策を立てることも忘れてはならないでしょう。新NISAを使って、将来に向けて賢く資産を増やしていきましょう。
成長投資枠とつみたて投資枠の活用
成長投資枠とつみたて投資枠は、新NISA制度の中で特に注目されるべき部分です。新NISAは、旧NISAと比較してより柔軟な投資が可能となり、投資初心者から経験者まで幅広く利用されています。
つみたて投資枠では、年間120万円まで購入が可能でスポット購入はできず、積立設定で選択した銘柄やETFを積み立てていく形となります。
成長投資枠では、年間240万円まで購入が可能で、証券会社にもよりますが、スポットでの購入もしくは積立設定での購入が可能となっています。
ただし、成長投資枠では新NISAの生涯投資限度額である1800万円のうち1200万円しか利用ができない、という点に注意してください。
この2つの枠を活用することで、いろんな投資戦略を練ることができます。
例えば、つみたて投資枠では毎月5万円特定のETFの積立てを行い、狙っている個別株やETFの評価額が下落した際に、成長投資枠でスポット買いをする、というような使い方もできますね。
また、シンプルに年初もしくは年末の一括投資で枠を埋めていくやり方もできます(これはかなり余剰資金が潤沢にあるブルジョワ向けのやり方ですが...)
基本的につみたて投資枠は月に10万円を上限とした積立設定しかできないようになっています。
しかし、証券会社によっては「ボーナス設定」というものがあり、特定の月だけ投資額をあげることができる設定が搭載されている場合があります。
これを使い、普段の積立額はゼロ円で設定し、ボーナス設定で特定の月に年間の枠である120万円の購入を設定します。成長投資枠では、シンプルに一気に240万円分を購入でOKです。
これにより、年初や年末に一括投資で年間の全ての枠を埋めることができます。
このように、つみたて投資枠と成長投資枠をうまく組み合わせることで、多様な投資戦略が組めるのが新NISAのメリットでもあります。
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投資上限額と非課税保有限度額の理解
前述の通り、新NISAでは
・つみたて投資枠:年間120万円
・成長投資枠:年間240万円(生涯投資可能額の上限:1200万円)
・合計1800万円
の投資上限があります。
この枠を超える金額での新NISAの運用は当たり前ですができません。
この枠を埋め切ったら、課税口座である特定口座等で資金投入をしていくのが良いでしょう。
新NISAのQ&A
新NISAと旧NISAの違いについてよくある質問を解説します。新NISAは2024年からスタートし、より長期的な投資を促進するための制度です。特に、30代の方々には将来への資産形成として非常に魅力的です。また、新NISAは幅広い金融商品が対象となり、株式だけでなく投資信託も利用できます。初心者の方は、まずは低リスクの商品から始めることをお勧めします。適切なリスク管理とともに、資産を着実に増やしていくことが重要です。
新NISAでの金融機関変更の可否と手続き
新NISAと旧NISAの違いを理解し、金融機関を変更する際の手続きについて説明します。新NISAは2024年からスタートし、より柔軟な投資が可能になります。
金融機関の変更は、特定の条件下で許可されており、手続きは各金融機関の窓口またはオンラインで行えます。
※ただし、すぐに変更できるわけではなく、金融機関(証券会社)のNISA口座の変更申請をした翌年から変更されます。
また、NISA口座は1人につき、1証券会社でしか保有できません。
複数の証券会社でNISA口座は持てないということには注意しましょう。
重要なのは、変更する前に現在のポートフォリオと新しい金融機関の提供するサービスを比較検討することです。
また、手数料やサポート体制も確認し、自分にとって最適な選択をすることが大切です。新NISAの利用を検討している方は、この機会に投資スタイルに合った金融機関を選びましょう。
また、長く資金を新NISAに投じていくことになるので、手数料の面もそうですが、ポイントがつく証券会社か?
という面でも証券会社を選ぶと良いでしょう。
現状、手数料も安く、ポイント還元面でも優秀と言われているのは、ネット証券である
・楽天証券
・SBI証券
この2強となっています。
どちらのクレジットカードをよく使っているか?どちらのポイントを貯めたいか?でこの2社から選ぶことをおすすめします。
旧NISAではリアル証券会社を使って運用をしていた、という方も、この機会に上記の2社への変更を検討しても良いかもしれません。
リアル証券では、窓口で相談できる、というメリットがありますが、手数料がネット証券に比べると高い場合が多いです。
20年、30年と長期的な運用をする場合、複利効果がかなり効くため、なるべく手数料が低いに越したことはありません。
同じ銘柄、同じ金額で毎月積み立てていたとしても、手数料が違う場合、20年後30年後の手残りでは数十万円〜数百万円の差が生まれます。
新NISAでは、証券会社と長い付き合いになるからこそ、手数料の低い証券会社を選びたいですね。
売却時の非課税投資枠の再利用方法
新NISAと旧NISAで大きく違う点がもう一つあります。
それは、「売却時に非課税投資枠が復活する」ということです。つまり、非課税枠が再利用できるわけですね。
旧NISAでは、一般NISAもつみたてNISAでも、旧NISAの枠で購入した銘柄やETFを売却しても、トータルの投資上限枠の復活はできませんでした。
しかし新NISAでは、新NISAで購入した銘柄やETFを売却した場合、翌年に全体の投資上限額(1800万円の残額)から投資枠が復活します。
これはとても大きい改変ですね。例えば、1800万円分の枠を全て埋めてしまった後に
「初期の頃に買った商品を売却してポートフォリオを見直したいな」
と思えば、売却して翌年に復活した枠で他の商品を購入できます。
注意して頂きたいたいのは、年間の投資枠の復活ではなく、全体の投資枠の復活である、ということです。
また、売却時に復活するのは、売却時の金額ではなく、その商品の買った時の金額である、という点にも注意しておきましょう。
例えば、Aの銘柄を100万円分買って、それが200万円に評価額が値上がりしたとします。
これを売却した場合、翌年に復活する枠は200万円ではなく購入時の100万円となります。
旧NISA時にはポートフォリオを見直したくても、売却したら枠の復活はなかったため、整理したい商品を持ち続ける選択をした人も多くいたことと思います。
しかし、新NISAでは前述の通り、枠の復活があるため、数年ごとにポートフォリオを見直して、必要に応じて売却を行うことでポートフォリオの見直しができます。
ただし、複利効果を最大化するためには、同じ銘柄を長期間持ち続けたほうがいいので、頻繁に枠の復活・再利用目的での売却はおすすめしません。
この点には十分お気をつけください。
新NISAを利用した資産形成のススメ
繰り返しになりますが、新NISAは旧NISAのほぼ全ての項目でアップグレードが行われた長期的な資産運用制度です。
今現状の日本の法律、仕組み的に投資や資産運用を行うのであれば、利用するメリットしかないので、ぜひこの新NISA制度を活用して、効率的な資産運用を行なっていきましょう。
新NISAを活用した具体的な投資戦略
新NISAにおいて、どのような投資戦略が最強か?という議論は各所で行われています。
もちろん、投資の成果というのは長期的な目線で判断する必要があり、すぐに「どの投資戦略が優れていたのか?」と分かるものではありません。
ここでは、どのような投資商品の選択肢があるか?について触れつつ、具体的な投資戦略にも触れていきます。
新NISAにおいての投資商品の選択肢とは、大きく分けて下記になります。
・再投資型ETF(投資信託)
・高配当型ETF(投資信託)
・個別株(高配当株も含む)
・国際債権型ETF(投資信託)
・REIT(不動産に投資する投資信託)
このように、いろいろな投資商品がありますが、新NISAの制度上、利益に対して非課税のため多くの有識者が「再投資型ETF」を主軸にするよう勧めています。
再投資型ETFとは、投資信託の一種であり、配当等で出た利益をそのまま再投資し、複利効果で資産が増加していく優良株の抱き合わせパッケージになります。
各投資信託ごとに、目標とする指標に連動するよう、対象の優良企業成長企業の株を少しずつ買っていくイメージです。
投資の格言で「卵は同じカゴに盛るな」というものがありますが、一つのものだけに投資してしまうと、その一つが暴落した時に資産が文字通り無くなってしまいます。
それを防ぐために「分散投資」が必要なのですが、この再投資型ETFであれば、都度複数の優良企業の株を少しずつ購入しているようなものなので、それだけである程度の分散が実現できます。
また、出た利益を自動で再投資してくれるので、新NISAの生涯枠を消費せずに効率よく非課税で資産を増やすことができます。
もし仮に、高配当株で運用すると、配当として受け取る利益には当然新NISA制度を利用すれば税金がかかりませんが、その配当金を1800万円の枠を埋めるために再投資すると、新NISAの非課税枠を消費していってしまいます。
なので、効率性の観点からいうと高配当株や高配当ETFよりも、新NISAの運用においては再投資型ETFに軍配があがると一般的には言われています。
しかし、これはあなたの資産構築や運用目的によっても変わるものです。
・未来で大きく育った資産を構築して受け取りたいか→再投資型ETFを主軸に
・毎年もらえる配当金額を年々大きくしていって毎年の余裕を生みたい→高配当株もしくは高配当ETF
というふうに、あなたの求める未来のスタイルに応じて投資戦略を変えるのが良いと思います。
また、更に分散を加えたい場合に選択肢としてあがってくるのが国際債権型ETFとREITです。
国際債権型ETFは、債権系のものに投資をする投資信託です。
債権と株は、逆の動きを見せる「負の相関関係」にあると言われています。
簡単にいうと、株が高いときは債権価格が下落し、株が下落したときには債権価格が上昇する、といったイメージです。
ご自身のポートフォリオに、債権を組み込むことによって、メインで持っているETFや個別株が仮に大幅に下落したとしても、債権は逆に上がっているという状況を作れる可能性が高いため、分散目的で債権型ETFを組み込むのも良いでしょう。
REITとは、不動産に投資する投資信託です。
こちらもご自身のポートフォリオの分散目的に使うと良いでしょう。
どのような投資戦略をとるにしても
・あなたの投資目的は何か?(未来に何を得たいのか?期待するのか?)
・そのためにどのように分散をしていくのか?
という点を考えた上で、ご自身にあった投資戦略を組まれることをおすすめします。
まとめ
新NISAと旧NISAの違いについて、改めて簡潔に説明します。新NISAは2024年からスタートし、より長期的な資産形成を目指す方に適しています。一方、旧NISAは2023年で新規加入が終了し、投資期間や非課税枠が異なります。
具体的には、新NISAでは年間360万円までの投資が可能で、非課税期間は無期限です。これに対し、旧NISAは、一般NISA年間120万円非課税期間5年、つみたてNISA年間40万円の非課税期間20年です。
投資初心者の方は、自分の投資目標や期間を考えながら、ぜひパワーアップした新NISA制度を活用して、資産形成を行なっていきましょう。
新NISAで賢く投資を始めるためのポイント
新NISAはとても素晴らしい制度だと思います。
旧NISAと比べて全ての面でパワーアップしたと言っても過言ではないでしょう。
「損をせずに効率よく新NISAを活用したい!」という気持ちでは誰しも一緒だと思います。
しかし、投資の成果がわかるのは遠い未来であり、今まで投資をしたことない人が今すぐ「完璧な投資戦略」を組むことは現実的に不可能だと思います。
まずは、少額でもいいので毎月のつみたて投資枠での投資をスタートし、それから
・自身の投資の目的
・どの商品にメインで投資していくか
・どのくらいの金額を毎月投資していくか
・どのくらい分散をきかせてポートフォリオを組んでいくか
を明確に決めていっても遅くはありません。
「完璧にしなきゃ...」と思ったら何事も始められませんので、まずは新NISAを使った投資をとりあえず始めてみて、それから実感と体験を通して、あなたらしい投資戦略をみつけて頂ければ幸いです。
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