2024年から始まった新NISA制度について、旧NISAと比べて多くの変更点があります。
特に注目すべきは、投資の対象となる商品の範囲が変わることや、非課税期間の設定が見直される点です。これらの変更がどのように影響を及ぼすのか、初心者にも分かりやすく解説していきます。
新しい制度を上手に活用するためには、メリットだけでなく、注意すべきデメリットにも目を向けることが重要です。
新NISAの導入と2023年までのNISAとの主な違い
新NISAは2024年からスタートし、従来のNISAと比較していくつかの変更点があります。
まず、投資期間が長くなり、今まで一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間の非課税だったものが新NISAだと無期限となります。これは、長期的な資産形成を目指す方にとって大きなメリットとなるでしょう。
また、対象となる金融商品も拡大され、より多様な投資が可能になります。
ただし、注意が必要なのは、新NISAは年間の投資限度額が従来の一般NISA120万円、つみたてNISA40万円から360万円に増えている点です。この変更により、より多くの資金を投じることができるようになりましたが、リスク管理も重要になります。投資初心者の方は、まずは少額から始めて、徐々に投資の幅を広げていくことをお勧めします。
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新NISAがもたらす投資の自由度の増加
新NISAの導入により、投資の自由度が大幅に向上しています。
特に、年間投資限度額の拡大や運用対象商品の多様化が注目されています。
しかし、新NISAにはデメリットも存在します。
例えば、選択肢が増えたことで、どの商品を選べば良いのか迷う初心者も少なくありません。
また、投資期間が長期にわたるため、市場の変動に強いメンタルが求められます。それでも、長期的に見れば税制優遇の恩恵を受けやすく、資産形成に有利な条件が整っていると言えるでしょう。
新NISAのデメリットを徹底解説
新NISA制度には、多くのメリットがありますが、デメリットにも目を向けることが重要です。一つの大きなデメリットは、投資対象が限られている点です。特定の金融商品にしか投資できないため、多様な投資機会を求める方には不向きかもしれません。
基本的に、新NISAとは長期的でなるべくリスクを抑えた資産運用を前提とした制度となります。
したがって新NISAで投資できる個別銘柄やETFは、国が選定したものになります。
簡単に言うと「めっちゃ儲かるかもしれないけど、めっちゃ損するかもしれない」みたいなボラリティの大きい銘柄やETFは新NISAの投資対象には入ってこないわけです。
あくまでコツコツと長期で運用をする前提の制度が新NISAと覚えておきましょう。
また、旧NISAと比べて年間の投資上限額が大きく引き上げられました。
「資産を早めに市場にさらせ」という言葉もありますが、あくまで投資は余剰資金で行うものになります。
生活防衛資金を確保せずに、生活費まで新NISAに投じてしまうと、生活がたち行かなくリスクがあります。
これらの点を踏まえ、新NISAを利用する際は、自分の投資目標とリスク許容度をしっかりと考慮することが求められます。
2023年末までのNISA残高は新NISAに移行できない
2023年末までのNISA残高は新NISAに移行できないという点についても注意をする必要があります。
新NISA制度への移行では、既存のNISA口座の残高をそのまま新しい口座に移すことはできません。
これは、2024年から始まった新NISA制度が、より長期的な資産形成を目指す構造になっているためです。投資初心者の方々には、この変更がデメリットと感じられるかもしれませんが、新制度は税制優遇の期間が延長され、より柔軟な運用が可能になります。
旧NISA口座の資産は、別途管理する必要があり、新たに投資を行う際には新NISA口座を利用する形になります。この点を踏まえ、資産管理の計画を見直し、新NISAのメリットを最大限に活用する準備をしていくことが重要です。
具体的に説明すると、旧NISAである、例えばつみたてNISAの非課税期間は20年間なので、新NISAとは別途の管理をし、20年経ったら出口戦略を取る、というのが一般的だと思います。
しかし、「今まで旧NISAで投資していた投資対象をガラッと変えたい」といった場合には、旧NISAで運用していた銘柄を売却→現金化してから新NISAに投じるのも一つの手ではあります。
しかし、もともと長期運用を考えて購入していた銘柄やETFなのであれば、時間をかけて放置していたほうが複利効果が高いため、一般的には20年先まで旧NISA(つみたてNISA)の銘柄は保有していたほうが賢明と言えるでしょう。
すぐには現金化できない
繰り返しになりますが新NISAの制度は、長期的な資産運用を前提とした制度です。
従って、短期投資には向きません。この点をデメリットと捉える人もいるでしょう。
また、購入した銘柄やETFをすぐに売って現金化することは不可能ではありませんが、それでは新NISAの非課税制度と複利の効果という旨味を失ってしまいます。
長い間育てる資産、というイメージで新NISAに取り組むことが重要となります。
また、短期投資には向かない、とは言ったものの、短期投資に新NISAが使えないわけではありません。
しかし、短期で銘柄やETFを購入→売却を行うと、その月の限度額、その年の限度額の枠をその度に消化してしまう、ということを覚えておきましょう。(一応、売却した銘柄やETFの購入時の金額分が、翌年全体の限度額1800万円の残額から回復はします。)
このリスクを回避するために、未来で使う予定のお金と生活防衛資金については、現金で保有しておくことをおすすめします。
元本割れのリスクと損益通算の不可
新しいNISA制度には多くのメリットがありますが、注意すべき点も存在します。特に「元本割れのリスク」と「損益通算の不可」は重要です。元本割れとは、投資した本金が市場の変動により減少することを指します。これは投資の基本的なリスクの一つで、特に株式投資では避けられない部分です。
例えば、積立投資枠で特に人気なS&P500(簡単に言うと、アメリカの優良企業株の抱き合わせパック)系のETFでも、過去には最大50%ほどの下落を経験しています。
自分の持っている資産が半分になってしまったらとても辛いですよね…
しかし、このリスクは「ドルコスト平均法」を使った長期運用でカバーできます。
こちらのグラフをご覧ください。
これは、米国のS&P500指数(配当込、円建て換算後)を対象に、ドルコスト平均法(毎月決まった額を円建てで投資)で1年だけ投資した場合から15年間投資し続けた場合までの「1年あたりのリターン」のちらばりをグラフにしたものです。
1年だけ投資した場合をみると、リターンが最も高かった年は+60.7%、最も低かった年は‐48.7%と大きな差がありました。
それに対して15年間投資し続けた場合では、最大値と最小値の差はその10分の1程に縮まり、最悪のケースでもリターンは+1.7%でした。
つまり今回例として参考期間とした1988年以降では、15年トータルで見ると元本割れのケースが無かったのです。
したがって、リターンがマイナスとなる時期があっても、ずっと投資を続けるということが大切だということが、このグラフから分かると思います。
これにより、元本割れのリスクは最小限に留めることができます。
また、新NISAでは損益通算が認められていないため、他の投資からの損失を新NISAの利益で相殺することはできません。
通常の投資であれば、Aで100万円の利益、Bで150万円の損が出ると、トータル50万円の損ですので、確定申告でそれを申告することで税金を下げることができます。
しかし、新NISAは利益に対して非課税、つまり税金がかからないため、逆に損をしたときに税金を減らせない、とこのようになるわけです。
新NISAで投資を始める際には、これらの点を十分理解し、自分のリスク許容度に合った選択をすることが大切です。
新NISAの賢い利用方法
新NISAは、投資初心者にもおすすめの制度です。特に、長期的な資産形成を目指す方にとって、非課税のメリットは大きいですね。
ただし、「デメリットしかない」と感じる方もいるかもしれませんが、それは運用方法による部分が大きいです。
例えば、リスク管理を怠ると、投資元本を割ってしまう可能性もあります。
ですから、分散投資を心がけ、リスクを適切に管理することが重要です。また、新NISAのルールをしっかりと理解し、自分に合った投資対象を選ぶことも成功の鍵です。
投資の目的と資金の配分を明確にする
投資を始める際、目的の明確化は非常に重要です。例えば、新NISAを利用する場合、そのメリットを活かすためにも、リスク管理と資金の適切な配分が必要です。
資金配分を明確にすることで、将来の不測の事態にも柔軟に対応可能となります。
また、新NISAの利用にはデメリットも存在しますが、それらを理解し、計画的に投資を進めることが肝心です。
投資の目的が定まれば、どの金融商品を選ぶか、どのように資金を割り振るかがスムーズに決められるでしょう。投資初心者の方は、小さなステップから始めて、徐々に経験を積み重ねることが大切です。
リスクに応じた商品選び
リスク許容度を理解し、適切な商品を選ぶことは投資の成功への第一歩です。特に新NISAのような制度を利用する際は、そのメリットやデメリットをしっかりと把握することが重要です。
例えば、新NISAは非課税での運用が可能ですが、投資対象が限られるため、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶ必要があります。また、リスクが高い商品は高いリターンが期待できますが、その分損失も大きくなる可能性があります。
そのため、自分の投資経験や資産状況を考慮し、慎重に選択することが求められます。投資は計画的に行うことで、リスクを管理しながら効果的に資産を増やすことができます。
投資初心者が新NISAで陥りがちなデメリットとその対策
新NISAは、長期的な資産形成を目指す投資初心者にとって魅力的な制度ですが、いくつかのデメリットに注意が必要です。例えば、選択可能な投資商品が限られているため、市場の変動に弱い場合があります。
また、投資初心者が情報不足から不適切な商品を選ぶリスクもあります。これらの問題を避けるためには、事前にしっかりとしたリサーチが重要です。信頼できる情報源からの情報収集をお勧めします。
さらに、分散投資を心がけ、一つの商品に依存しないことも大切です。
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