「NISAに月1万円は意味がない」→これを徹底論破します

2024年からスタートした新NISAですが、「NISAに月1万円は意味がない」と言われた方の投稿が話題になっています。
投稿者は「月1万円であれば、地道に貯金をしたほうがいいのか…」と悩まれていたようなのですが、果たして何が正解なのでしょうか?

今回の記事では、「本当にNISAに月1万円は意味がないのか?」について徹底的に解説していきます。

目次

新NISAの概要

新NISA(Nippon Individual Savings Account)は、2024年から施行された個人投資家向けの税制優遇制度です。従来のNISA制度と比較して大幅な改正が加えられており、特に年間投資枠や非課税保有限度額の上限が引き上げられた点が大きな特徴です。

新NISAでは、年間360万円までの投資が非課税となり、この非課税枠は従来の120万円から大幅に拡大されています。さらに、非課税期間が無期限となり、長期的な資産形成において大きなメリットを享受できるようになりました。この制度は、個人投資家が安心して長期的な投資を行えるよう、税制面でのサポートを強化しています。

また、新NISA口座は18歳以上の方が開設可能であり、若年層からの投資意欲を高め、将来的な資産形成の基盤を築くことが期待されています。NISA制度においては満年齢ではなく、その年の1月1日時点での年齢が基準となるため、年齢に関する規定にも注意が必要です。

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新NISAに月1万円は無意味、の意図

今回話題になった件の経緯を見ていきましょう。

投稿者の方は、生活に余裕がないため、新NISAを始めたいが月に1万円が現状では限界、とのことを友人に相談したそうです。
すると友人からは「NISAに月1万円は無意味」と言われ気落ちし、「地道に貯金をすべきなのか?」と悩んでいたようです。

恐らく、この友人の「NISAに月1万円は無意味」というのは、月1万円程度では大きな資産形成はできないし、そんなこと意味がない、というような意図でこの発言をされたのだと思います。

では、果たして本当に「NISAに月1万円は無意味」なのでしょうか?

次の章で見ていきましょう。

新NISAに月1万円は無意味なのか?

では実際に
①新NISAで月1万円を20年間積み立てた場合
②貯金で月1万円を20年間銀行預金で積み立てた場合
の比較をしてみましょう。

現状新NISAの運用で人気のS&P500やオールカントリー系のインデックスファンドの場合、事例としては年利5~7%で扱われることが多いですが、今回は控えめに「年利3%」程度で成長するインデックスファンドを毎月1万円分積み立てした想定で解説していきます。

また、貯金の場合は大手メガバンの現状のだいたいの利率である0.02%を採用します。

①新NISAで月1万円を20年間積み立てた場合(年利3%)
投資元本:240万円(毎月1万円×12ヶ月×20年)
年利3%の場合の想定運用収益:約88万円

20年後の手元の合計は約328万円、となります。

人によって感じ方は違うと思いますが、結構増えるな、と個人的には感じました。

②貯金で月1万円を20年間銀行預金で積み立てた場合(年利0.02%)
貯金元本:240万円(毎月1万円×12ヶ月×20年)
年利0.02%で受け取れる利息:4786円(税引き後は3814円)

20年後の手元の合計は240万円と3814円、となります。

①,②の結果を比べると、
新NISAで月1万円を積み立てるほうが、約87.5万円も多くなる、という結果になりました。
ただし、貯金のほうは元本割れが基本的にないのに対し、新NISAで積立をする場合、一時的な元本割れのリスクがあることは折り込んでおきましょう。

とは言え、20年を超える長期積立、長期運用の場合、データ上元本割れのリスクは限りなくゼロに近づくため、そこまで元本割れを気にする必要はないでしょう。

こちらの結果を受けて、あなたはどう感じるでしょうか?
少なくとも
「新NISAに月1万円は無意味」ではないと客観的に言える結果になったのではないかと思います。

では何故、月1万円の積み立てで原資の240万円が88万円も増えたのでしょうか?
これは複利の効果が効いている、からになります。

複利効果とは、毎年原資に対して年利でかかる利率で増えた分にも、翌年またその年利がかかることにより、雪だるま式に増えていく現象です。

ソースによって諸説ありますが、かの有名なアインシュタインが「人類の最大の発見は複利」みたいなことを言っているだけあり、その効果は非常に強力です。

ちなみに、今回の例で出した貯金にも一応複利はかかっています。
ただし、今の日本の銀行預金の利息利率は非常に低いのでそこまで増えなかった、というわけです。

筆者は海外によく行くのですが、新興国ではいまだに利息利率が年利で8%とかある国もあります。
日本でも大昔は利息の利率が高かったため、貯金をして銀行に預金することがイコール資産形成に繋がっていたのです。

 

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新NISAを月1万円で始めるメリット

ここからは、新NISAを月1万円で始めるメリット、について解説していきます。
前章で「新NISAで月1万円は無意味」ではないことは分かったと思いますが、実はそれ以上にメリットがあります。

かく言う筆者自身も、旧NISA時代ではありますが少額の積み立て投資でNISAデビューをした1人です。
一番最初は月5000円程度だったと思います。

NISAでの投資デビューに興味があった筆者ですが、当時生活に余裕がなくライフスタイルの大幅な変化の予定もあったため
「余剰資金を300万円貯めたらNISAをスタートする」
という目標を掲げて貯金していました。

しかし、なかなかそのためのモチベーションが上がらず少し貯金が増えては取り崩し、ってのを繰り返してなかなか貯金が増えていきませんでした。

当時の私は、この投稿者の友人のように「少額の積み立ては無意味」と思っていたのでしょう。しっかり資金を貯めて毎月ある程度の金額を入れなければダメ、と思い込んでいた様に思います。

しかし、いつまで経っても投資がスタートできない状況に嫌気がさし、最初は少額からでいいや、とNISAでの積み立てをスタートしました。

すると、驚くほどの変化があったのです。
変化をまとめると以下の様になります。

・実際に投資をスタートしているので自身で投資について勉強する様になった
・実際に増えていく感覚を得たので、投資のモチベがあがった
・入金力を高めるための努力をするようになった
・節約、倹約が苦ではなくなった

他にも色々ありますが、主にこんなところです。

あの時投資をスタートしていなければ、「お金が貯まらないな」と足踏みして未だに積み立て投資をスタートできていなかったと思います。

現在は、徐々に積み立て額をあげて、現状5万円+αを毎月コンスタントに積み立てています。

今回の例で登場した質問者さんも、月1万円でも新NISAを始めれば、自主的に勉強をし始め、入金力をつけ、1万円よりも多い額を積立てできる様になっていくと思います。

つまり、一番のリスクは
「少額しかできないから」と投資をスタートしないことだと思います。

積み立て投資において重要なのは、「積み立てる期間」です。
時間がかかればかかるほど、複利の効果は大きくなっていきます。

つまり、1日でも早く積み立て投資を始めたほうがメリットが大きいのです(人間の一生には限りがありますからね)

まとめ

いかがでしたか?
今回は「新NISAで月1万円は無意味」という論争について解説しました。
正直、まったく無意味とは思いませんし、少額でもNISAで積立をスタートすることができれば、いずれ入金力があがり結果的に短い期間で資産形成ができると確信しています。

新NISAを始めたいがお金がない、という人はまずは数千円でもいいからスタートしてみましょう。

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