はじめに
2024年から新しくスタートした新NISA制度は、個人投資家にとって大きなメリットを提供します。特に、年間360万円の投資枠が設定され、非課税での投資が無期限に行える点が大きな魅力です。しかし、新NISAで資産形成を行う際に迷うのが、「ETFと投資信託のどちらを選ぶべきか」という点です。本記事では、新NISAを活用して資産形成をするために、ETFと投資信託の違いやメリット・デメリットを比較し、どちらが最適なのかを解説します。
目次
1. 新NISA制度の概要と成長投資枠
2024年からスタートした新NISA制度は、従来のつみたてNISAと一般NISAが統合され、より柔軟で有利な投資環境を提供しています。年間360万円までの投資が可能で、投資から得られる利益が非課税となるため、資産形成に大きなメリットがあります。また、非課税期間が無期限化され、長期的に投資を行うことが可能です。
成長投資枠の特徴
新NISAの大きな特徴は、成長投資枠が設定されていることです。この枠では、ETFや株式、投資信託など幅広い金融商品への投資が可能で、特に高い成長が期待される企業や市場に対して投資を行うことができます。成長投資枠は、資産を増やすために積極的な運用をしたい人にとって最適な選択肢となります。
つみたてNISAからの変更点
新NISAは、従来のつみたてNISA、一般NISAと異なり、年間投資枠が40~120万円から360万円へと大幅に拡大されました。また、非課税期間が無期限となり、18歳以上の個人が利用できる点も重要な変更点です。この情報は、2024年から施行される新NISAの公式情報に基づいています【引用元:新NISA情報】。
\当サイトおすすめ証券会社/
2. ETFと投資信託の違いとは?
新NISAの成長投資枠では、ETF(上場投資信託)や投資信託を活用して、資産形成を行うことができますが、この2つにはいくつかの重要な違いがあります。それぞれの特徴を理解することが、最適な投資商品を選ぶ鍵となります。
ETF(上場投資信託)とは?
ETFは、証券取引所に上場されている投資信託の一種で、株式のように市場でリアルタイムで売買が行われます。ETFは、特定の指数(例:日経平均株価やS&P500)に連動したパフォーマンスを目指すため、分散投資が可能です。特に、手数料が低く、透明性が高い点が大きなメリットです。
投資信託とは?
投資信託は、個人投資家から集めた資金を一つのファンドにまとめ、専門の運用会社が株式や債券などの金融商品に投資を行います。投資信託は、販売会社を通じて購入でき、ETFのように市場でリアルタイムに売買することはできませんが、手軽に分散投資ができる点が魅力です。
ETFと投資信託の比較表
項目 | ETF | 投資信託 |
---|---|---|
取引方法 | 市場でリアルタイムに売買可能 | 販売会社を通じて購入し、1日1回の基準価額で売買 |
手数料 | 運用コストが低い(信託報酬が少ない) | 比較的高い手数料が発生する場合が多い |
運用者 | インデックス連動型が多く、運用は自動的 | プロのファンドマネージャーが運用 |
投資金額 | 少額から可能だが、1口単位で購入 | 少額から積立可能(100円~でも購入可能) |
分配金 | 手動で再投資が必要な場合がある | 自動で再投資されることが多い |
リスク | 為替リスクや市場の変動リスクが大きい | リスクは分散されるが、運用成果次第 |
3. ETFのメリット・デメリット
新NISAを活用してETFに投資する際には、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。ETFは多くの投資家にとって魅力的な商品ですが、いくつかの注意点もあります。
ETFのメリット
- 手数料が低い
ETFの大きな魅力は、運用手数料(信託報酬)が一般の投資信託と比べて低いことです。特に、長期投資を考える場合、手数料の低さは資産運用のパフォーマンスに大きく影響します。 - 市場でのリアルタイム取引が可能
ETFは株式と同様に、証券取引所でリアルタイムで売買が行えます。これにより、市場の状況に応じて柔軟な取引が可能となり、タイムリーな資産運用が可能です。 - 分散投資が簡単にできる
ETFは、特定の指数や市場に連動するため、一つの投資で複数の銘柄に分散投資ができます。例えば、S&P500に連動するETFを購入すれば、アメリカの主要企業500社に投資することができます。
ETFのデメリット
- 為替リスクがある
海外のETFを購入する場合、為替リスクが発生します。円とドルの為替レートの変動によって、投資のリターンが影響を受ける可能性があるため、特に外貨建てETFに投資する際には注意が必要です。 - リアルタイムでの価格変動
ETFは株式と同様にリアルタイムで取引されるため、価格が頻繁に変動します。短期的な値動きに敏感な投資家には、この変動がストレスとなる可能性があります。 - 配当金の再投資が手動になる場合がある
ETFでは、配当金が自動的に再投資されないことがあります。そのため、配当金を受け取った後に、再度投資を行う手間が発生する場合があります。
4. 投資信託のメリット・デメリット
投資信託は、新NISAの成長投資枠を活用する上で、ETFに次いで人気のある投資商品です。ここでは、投資信託のメリットとデメリットを確認し、ETFとの違いを見ていきましょう。
投資信託のメリット
- 専門家による運用
投資信託は、プロのファンドマネージャーによって運用されるため、投資の知識や経験が少ない投資家でも安心して資産を運用できます。複数の銘柄に分散投資されるため、リスクを抑えつつ、専門的な運用の恩恵を受けることができます。 - 少額から始められる
投資信託は、少額から投資を始めることができる点が魅力です。新NISAでは、年間360万円の非課税枠がありますが、投資信託なら100円から積立投資を始めることも可能です。これにより、資産形成を無理なくスタートできるでしょう。 - 再投資が自動で行える
投資信託の多くは、配当金が自動的に再投資される仕組みを持っています。これにより、配当金を手動で再投資する手間が省け、複利の効果を得やすくなります。
投資信託のデメリット
- 手数料が比較的高い
投資信託には、購入時の手数料や運用中の信託報酬など、ETFに比べてコストが高い場合があります。特に、長期的な運用を考える場合、手数料がパフォーマンスに与える影響が大きくなるため、注意が必要です。 - 即時売買ができない
投資信託は、ETFのように市場でリアルタイムに売買することができません。売買注文は一日の終値で決まるため、すぐに売却したい場合には不便を感じることがあります。 - 運用成果が市場平均を下回るリスク
ファンドマネージャーの運用に依存するため、必ずしも市場の平均的なリターンを上回るわけではありません。運用成績が振るわない場合、投資信託全体のリターンが市場平均を下回ることもあります。
\当サイトおすすめ証券会社/
5. 新NISAではETFと投資信託のどっちがおすすめ?
新NISAの成長投資枠を使う際に、ETFと投資信託のどちらを選ぶべきかは、投資家の目的やリスク許容度によって異なります。以下では、それぞれの選択肢がどのような投資家に向いているのかを詳しく解説します。
ETFを選ぶべき人
- 手数料を抑えたい人
ETFは運用コストが非常に低いため、長期的な運用を考える際には手数料の低さがパフォーマンスに大きく影響します。特に、コストを抑えつつ市場全体に投資したい人には最適です。 - 自分で取引のタイミングを決めたい人
リアルタイムで売買できるため、市場の動きに合わせてタイミングを見計らって取引を行いたい人にとって、ETFは柔軟な選択肢です。株式のように即時取引ができる点が大きなメリットです。 - 市場全体に分散投資したい人
ETFは、特定の指数に連動するため、個別銘柄のリスクを避けつつ、市場全体の成長を狙った分散投資が簡単に行えます。
投資信託を選ぶべき人
- 投資の知識が少ない初心者
専門家が運用してくれるため、投資の知識が少ない人や、投資判断に迷う人でも安心して資産運用を行えます。また、少額から始められるため、初めての投資としても適しています。 - コツコツと積み立てたい人
自動的に積み立てができる仕組みを持っている投資信託は、長期的に少額を積み立てながら資産を増やしていきたい人に最適です。複利効果を最大限に活かすことができます。 - 安定した運用を望む人
投資信託は、プロの運用によってリスクを分散し、安定したリターンを狙うことが可能です。短期的なリスクを避け、長期的に安定した成長を期待する場合には、投資信託が向いています。
結論:新NISAではどちらを選ぶべきか?
新NISAでは、ETFと投資信託のどちらを選んでも有利な非課税制度を活用することができます。ただし、積極的な運用を行いたい人や、コストを抑えたい人にはETFが向いており、リスクを抑えつつプロの運用に任せたい人には投資信託がおすすめです。自分の投資目的やリスク許容度に応じて、最適な選択肢を選びましょう。
6. まとめ
新NISA制度を活用して資産形成を行う際、ETFと投資信託のどちらを選ぶかは、投資家自身の投資スタイルや目的によって異なります。ETFは手数料が低く、リアルタイムで取引ができるため、コストを抑えつつ積極的に運用したい人に向いています。一方、投資信託は少額から始められ、プロによる運用が行われるため、初心者やリスクを抑えてコツコツと運用を行いたい人に適しています。
新NISAでは、年間360万円という大きな非課税枠が提供され、非課税期間も無期限となっています。この制度を最大限に活用し、自分に合った投資商品を選ぶことが資産形成の成功につながります。自分のリスク許容度や投資目的を明確にした上で、ETFと投資信託のメリット・デメリットを理解し、賢く資産を増やしていきましょう。
\当サイトおすすめ証券会社/