2024年から始まった新NISAですが、勉強していくうちに「ジュニアNISA」という言葉を知った方も多いと思います。
ジュニアNISAは、子供のための資産形成に利用できる制度ですが、2023年末に制度自体が終了してしまいました。
今回は、ジュニアNISAに代わって子供の教育資金や資産形成ができる制度をまとめました。
また、新NISAを有効活用する方法についても、親御さんの目線でまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. 新NISAとは?
新NISA(Nippon Individual Savings Account)は、2024年から導入される新しい投資制度で、個人投資家が非課税で資産を運用できる制度です。従来のNISA制度を改良し、年間投資上限や生涯投資枠が拡充され、個人の資産形成をより効果的にサポートします。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、リスク分散を図りながら長期的な資産形成が可能です。
2. ジュニアNISAの概要
ジュニアNISAは、未成年者(18歳未満)を対象としたNISA制度で、年間80万円までの投資利益が非課税となります。
非課税期間は5年間ですが、2023年末で新規口座開設が終了し、既存の口座は2024年以降も利用可能ですが、運用や引き出しに制約があります。
つまり、2024年以降は新規では利用できない制度となっています。
ジュニアNISAの目的は、子供名義での資産形成を支援することです。
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3. 新NISAは子供名義でできるのか?
新NISAは成人を対象としており、未成年者(18歳未満)が直接口座を開設することはできません。そのため、子供名義で新NISAを利用することはできません。しかし、親や祖父母が自分の新NISA口座を利用して子供のために資産を運用することは可能です。
4. ジュニアNISAの代わりに使える制度
前述の通り、ジュニアNISAは2024年以降、新規の開設・運用ができなくなりました。
そこで、ジュニアNISAの代わりとして使える制度をこちらの章では解説していきます。
新NISAを親や祖父母が運用
新NISAは18歳未満のいわゆる未成年は開設することができません。
ですが、その親や祖父母が新NISAを利用することは当然できますので、子供の教育資金を運用して作っていく、という選択は取れます。
子供の教育資金の構築において、新NISAを活用するメリットは以下になります。
・引き出しの自由度が高い→急な家計の変化に対応できる
・中長期で積み立てることで資産が増える可能性がある
しかし、下記のようなデメリットもあります。
・引き出しの自由度が高いが故に、強い意志を持って運用しないと他のものにその資金を充ててしまう恐れがある
・子供の教育資金が必要なタイミングで株価が下がっていると元本割れ等のリスクがある。
このメリットとデメリットのバランスを考えて選択をすることが重要となります。
教育資金贈与信託
教育資金贈与信託は、祖父母や親が子供や孫に教育資金を贈与する際に利用できる制度です。この制度を利用すると、贈与された金額が非課税となり、教育資金として使用されます。
具体的な制度内容:
- 非課税限度額:贈与者1人あたり1,500万円までが非課税。
- 対象資金:授業料、入学金、塾代、留学費用などの教育関連費用。
- 受贈者の年齢:受贈者が30歳になるまでに使用することが条件。
この制度は2023年3月末までの利用が可能でしたが、令和5年に3年間の延長が決定しました。
2026年3月31日までに、信託銀行等と信託契約を行えば利用できる制度となります。
メリットをまとめると以下の通りです。
- 贈与税の軽減:最大1,500万円まで非課税で贈与可能。
- 教育資金の確保:子供や孫の将来の教育資金を計画的に準備できる。
- 資産の移転:祖父母から孫への資産移転が容易。
しかし、下記のようなデメリットもあります。
- 用途の制限:資金は教育目的に限定され、他の用途には使用できない。
- 年齢制限:受贈者が30歳になるまでに使用する必要がある。
- 信託手数料:信託銀行によっては手数料が発生する場合がある。
すごく簡単に説明すると、増えたり減ったりするものでないが、贈与税をかけずに教育資金としての贈与ができる制度となります。
ただし、用途や年齢制限があるため、利用する際はこれらの条件を十分に理解しておく必要があります。
学資保険
学資保険は、子供の教育費を準備するための保険です。一定期間保険料を払い込み、満期時に教育資金として一括または分割で受け取ることができます。保険期間中に契約者が死亡した場合、保険料の支払いが免除され、満期保険金が支払われます。
利用期間: 学資保険は子供の教育資金を目的としているため、通常は子供が大学入学する18歳や20歳まで利用できます。契約時期によっては、さらに早い段階で満期を迎える保険もあります。
メリットをまとめると以下の通りです。
- 確実な資金準備:計画的に教育資金を積み立てることができる。
- 保険機能:契約者の死亡時に保険料免除となり、子供の教育資金を確保。
- 満期金の受け取り:満期時にまとまった資金を受け取れる。
しかし、下記のようなデメリットもあります。
- インフレリスク:将来の物価上昇に対して受け取る保険金の価値が目減りする可能性がある。
- 解約返戻金の減少:途中解約すると、返戻金が払い込んだ保険料を下回ることがある。
- 保険料負担:契約期間中に一定の保険料を支払い続ける必要がある。
学資保険は子供の教育資金を計画的に準備する有効な手段ですが、インフレリスクや途中解約のデメリットも考慮する必要があります。他の資産形成手段と比較し、適切なプランを選択することが重要です。
とは言え、不慮の事故等で親御さんに何かあった場合に、お子さんのキャリア形成において非常に心強い味方ではあると思います。
まとめ
これらの制度を組み合わせて利用することで、子供のための資産形成を効果的に行うことができます。
ただし、どの選択肢も一長一短で、メリットデメリットがあるので、これらをバランスよく組み合わせることが重要だと思います。
例えば、守りの戦略で学資保険で確実に準備しつつ、予備で新NISAの運用(利益を出すことも考慮し)で攻める、といった形が考えられます。
もちろん、世帯年収によっても戦略が変わってきますが、このインフレが続いている現代日本において、何も動かずに来たる子供の教育資金が必要なタイミングまでのほほんと過ごすのはナンセンスと言えます。
必ず何かしらの準備はしておきましょうね。
5. 子供のための投資信託の活用法
新NISA等で子供のために資産を運用する場合、投資信託は効果的な手段です。以下のポイントに注意して活用しましょう。
- 長期運用:長期間にわたって運用することで、複利効果を最大限に活用できます。
- リスク分散:複数の資産に分散投資することで、リスクを軽減します。
- 定期的な見直し:定期的に運用状況を確認し、必要に応じてポートフォリオを調整します。
また、以下のような具体的な投資信託を検討すると良いでしょう:
投資信託名 | 特徴 |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 | 低コストで全世界の株式に分散投資が可能 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国市場に特化し、長期的な成長が期待できる |
三菱UFJ国際投信・つみたて先進国株式 | 先進国株式に広く分散投資ができる |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 低コストで外国株式に分散投資 |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | ハイテク株中心のNASDAQ100に投資 |
野村インデックスファンド・TOPIX | 日本の株式市場全体に投資 |
ひふみプラス | 日本株を中心に成長が期待できる個別株に投資 |
DCニッセイ外国株式インデックス | 低コストで安定した成長が期待できる外国株式に投資 |
たわらノーロード 先進国株式 | 先進国株式に分散投資し、コストパフォーマンスが高い |
iShares MSCI ACWI ETF | 全世界の株式市場に広く分散投資が可能 |
6. まとめ
新NISAは子供名義で直接利用することはできませんが、親や祖父母が自分の口座を使って子供のために資産を運用することは可能です。ジュニアNISAの代わりとして、新NISA、学資保険、教育資金贈与信託などを活用することで、子供の将来に備えた資産形成ができます。長期的な視点で投資を行い、複利効果を最大限に活用することが重要です。
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