ブラマヨ小杉の”ホンマでっか!?TV”で思う睡眠時無呼吸症候群の怖さ

ホンマでっか!?TVで睡眠の話が出ていました

2025年11月19日放送の「ホンマでっか!?TV」は若返りの最新研究をとりあげ、疲労研究家の梶本修身さんが「2日間の睡眠不足になるだけで老けるということがわかっている」と紹介した。

ブラマヨの小杉さんは番組内で睡眠時無呼吸症候群にかかっていて、CPAPを自宅で使用していること、CPAPで睡眠がうまくできていることを話しました。

その際に疲労研究家の梶本修身さんが”2日間の睡眠不足になるだけで老けるということがわかっている”という話をされていました。

睡眠時間が長い人ほど肌艶やシワなどが少なく若く見えるということを経験したことはないでしょうか?私は実際に体感していました。

もちろん若く見えるために睡眠をしっかり取るというのは大事なことなのですが、それ以上にいびきや睡眠時無呼吸症候群は健康に害がある…どころか命に関わるようなこともあります。

この記事では睡眠時無呼吸症候群が命に関わるという話を詳しくしていきたいと思います。

睡眠時無呼吸症候群は“静かに進行する”深刻な病気

人の一生の約3分の1は睡眠に費やされます。睡眠は単なる休息ではなく、体と脳の修復、ホルモンバランスの調整、自律神経の安定、記憶の整理など、生きるために欠かせない重要なプロセスです。しかし、その時間が「呼吸の停止」によって妨げられ続けると、体のあらゆる機能が壊れ始めます。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に何度も呼吸が止まり、脳と体が繰り返し酸素不足に陥る病気です。

恐ろしいのは、その多くが“自覚しにくいまま進行する”こと。朝起きてもスッキリしない、日中に眠くなる、いびきが大きい――こうした症状もよくあることだと見過ごされ、何年も放置されるケースが珍しくありません。

しかし、この病気は単なる睡眠障害ではありません。

慢性的な低酸素状態は血圧・血管・心臓・脳・代謝・精神など、全身に深刻な影響を及ぼし、突然死のリスクすら高めます。

ここでは、睡眠時無呼吸症候群がなぜ危険なのかを、医学的な視点から詳しく解説します。

繰り返される“無呼吸”が体にもたらす本当のダメージ

酸素不足は体にとって“緊急事態”

睡眠中に呼吸が止まると、体内の酸素濃度は急速に低下します。酸素が足りなくなると脳は危険信号を出し、心臓の拍動を強め、血圧を上げ、無理やり体を覚醒させようとします。

これは、生命維持のための防御反応ですが、一晩で数十回、重症例では100回以上起きることもあります。

この「低酸素 → 覚醒 → 再び眠る」という悪循環は、睡眠の質を極端に低下させ、脳と心臓の負担を増大させます。

脳と体が“眠れていない”状態が続く

無呼吸が続くと、深い睡眠であるノンレム睡眠・レム睡眠ともに妨害されます。脳は一晩中浅い眠りをさまよい、休息どころではありません。

・朝起きて頭痛がする
・仕事中に集中できない
・物忘れが増える
・免疫力が落ち風邪を引きやすい

こうした症状は、睡眠の分断によって脳が十分に休めていないサインです。

睡眠時無呼吸症候群が引き起こす“命に関わる”病気

夜間高血圧と血管障害

本来、睡眠中は副交感神経が優位になり、血圧も脈拍も下がるのが正常です。しかし無呼吸があると、酸素不足により交感神経が刺激され、夜間に血圧が上昇します。

夜間高血圧は、
・心筋梗塞
・脳卒中
・大動脈解離
といった致命的な病気の強力なリスク因子です。

心筋梗塞・不整脈の増加

無呼吸のたびに心臓は急激な負担を受けます。これが毎晩数十回〜百回続くため、心臓の筋肉は疲弊し、心不全や致死性不整脈の引き金になります。
特に「夜間突然死」の背景に睡眠時無呼吸症候群が潜んでいたケースは医学的な報告でも珍しくありません。

脳へのダメージ

脳には大量の酸素が必要です。無呼吸で酸素が不足すると脳細胞はダメージを受けやすく、
・脳梗塞
・記憶力低下
・注意力の衰え
といった影響が出ます。
近年では、認知症との関連も研究が進んでいます。

糖尿病・肥満の悪循環

無呼吸はインスリンの働きを弱め、血糖値を上げやすくします。

さらに、睡眠不足になることで食欲ホルモンのバランスが乱れ、過食傾向になりやすくなります。
肥満は無呼吸を悪化させるため、「無呼吸 → 肥満 → 無呼吸悪化」という負のスパイラルに陥ります。

日常生活にも深刻な影響をもたらす

強烈な眠気と事故リスク

睡眠の質が低下しているため、日中に強烈な眠気に襲われます。
特に危険なのは運転中の眠気で、居眠り事故の中に無呼吸が背景にある例は少なくありません。

・高速道路で眠気に勝てない
・信号待ちで意識が落ちる
・会議中に急に意識が遠のく

こうした症状がある場合、無呼吸を疑うべきです。

メンタル不調との関係

睡眠不足は、心のバランスにも影響します。
・イライラ
・気分の落ち込み
・不安
・やる気の低下
など、精神的な症状が現れることがあります。

睡眠は心の健康を守る基盤なので、ここが崩れると生活全体が乱れ始めます。

なぜ多くの人が“気づかないまま放置する”のか

この病気が厄介なのは、
・症状が睡眠中に起きる
・本人は無呼吸を自覚できない
・いびきを「たいしたことない」と思い込む
という点です。

健康診断では無呼吸の有無は分からず、血圧や血糖値の異常があっても「原因が無呼吸」とは気づかれません。

さらに、
「検査が大変そう」
「病院に行くほどではない」
「治療が面倒くさそう」
というイメージが先行し、受診が遅れるケースも多いのです。

検査と治療は“驚くほど簡単”

自宅でできる検査が主流

現在の無呼吸検査は、ほとんどが自宅で行う簡易検査です。鼻にチューブ・指先にセンサーを付けて眠るだけで、呼吸状態や酸素濃度を測定できます。

以前より手軽になり、受診のハードルは劇的に下がっています。

治療は効果が高く、生活が変わる

無呼吸の治療の中心はCPAPと呼ばれる機械で、睡眠中に気道を広げ、呼吸停止を防ぎます。
CPAPを使った患者の多くが以下のような改善を実感します:

・朝スッキリ起きられる
・日中の眠気がなくなる
・血圧が安定する
・集中力が戻る
・気分が改善する

治療効果は科学的にも確立されており、世界中で標準治療として使用されています。

CPAPは昔の電話機くらいの大きさで、旅行や出張に持って行くにはちょっと気になるものです。

現在はレーザーで副作用なくいびきや睡眠時無呼吸症候群を治療できますのでそちらを試してみるのもいいですね。

スリープメディカルクリニックやレジーナクリニックで取り扱っていますので、気になる方は一度記事を読んでみてください。

いびきは“体の悲鳴”かもしれない

大きないびきをかく人は、単なる生活の癖ではなく、睡眠時無呼吸症候群の予備軍である可能性が高いです。

体は酸素を求めて必死に呼吸しようとしており、その音がいびきとして聞こえているケースも少なくありません。
いびきが習慣化している人は、早い段階で睡眠の検査を受けるべきです。

早めに向き合うことで“人生が変わる”

睡眠時無呼吸症候群は、「気づくのが遅れるほど危険になる病気」です。
しかし、裏を返せば「早く気づけば確実に改善できる病気」でもあります。

・最近太った
・いびきがうるさいと言われる
・朝の頭痛が増えた
・日中眠くて仕事にならない
・血圧が高くなってきた
・疲れが抜けない

こうしたサインがある場合、体はすでにSOSを出しているかもしれません。

人生の3分の1を占める睡眠が整えば、心も体も驚くほど変わります。
眠りが改善すれば、仕事のパフォーマンスも、家族との時間も、健康寿命も大きく向上します。

まとめ:いびきや無呼吸を軽視しないで

睡眠時無呼吸症候群は、
・心臓
・血管
・脳
・代謝
・精神
すべてに悪影響を及ぼす“全身の病気”です。

そして、放置すれば命に関わる病気を引き起こす危険な状態です。
しかし、検査は簡単で、治療は効果的。改善の可能性は非常に高い病気でもあります。

「ちょっとしたいびきだから」と軽く考えず、違和感を覚えたら一度専門医に相談してください。
未来の健康を守るのは“今の気づき”です。

おすすめの記事